つれづれなるままに

140字だけでは綴れないことを言葉に。

『火花』 又吉直樹

お笑い芸人が書く純文学とはどんな感じなんだろう?

そう思って手に取ってみた。

純文学は、娯楽性よりも芸術性に重きを置いた小説を指す。

つまり、日本文学。

思わず頭が痛くなるような(笑)

困難な表現を想像してしまう。

普段なら敬遠してしまうジャンルなのに、

人気があるのは、話題性だけなのか?

 

読了後に感じたことは、

「純文学」と謳う必要はあったのか。

だった。

純文学にありがちな文章の回りくどさは

感じられるものの、なんだか中途半端。

無理に純文学に近づけている気がして、

少し白けてしまった。

純文学としなければ、純粋に面白かった。

で済ませることができたと思う。

お笑い芸人が描く、お笑い芸人を題材とした小説。

パッと見とてもありがち。

それなのに、文章の構成が順序立てられていて、

個性的な登場人物は魅力的。

彼らの心情の移り変わりに入り込める

期待以上だった。と言えたと思う。

純文学好きが高じて書き上げてしまったことが

結果、期待外れになってしまった気がする。