『火花』 又吉直樹
お笑い芸人が書く純文学とはどんな感じなんだろう?
そう思って手に取ってみた。
純文学は、娯楽性よりも芸術性に重きを置いた小説を指す。
つまり、日本文学。
思わず頭が痛くなるような(笑)
困難な表現を想像してしまう。
普段なら敬遠してしまうジャンルなのに、
人気があるのは、話題性だけなのか?
読了後に感じたことは、
「純文学」と謳う必要はあったのか。
だった。
純文学にありがちな文章の回りくどさは
感じられるものの、なんだか中途半端。
無理に純文学に近づけている気がして、
少し白けてしまった。
純文学としなければ、純粋に面白かった。
で済ませることができたと思う。
お笑い芸人が描く、お笑い芸人を題材とした小説。
パッと見とてもありがち。
それなのに、文章の構成が順序立てられていて、
個性的な登場人物は魅力的。
彼らの心情の移り変わりに入り込める
期待以上だった。と言えたと思う。
純文学好きが高じて書き上げてしまったことが
結果、期待外れになってしまった気がする。